Wedgwood(ウェッジウッド)とは世界的にも有名かつ歴史を持つ英国高級陶磁器メーカーです。当初から1万回以上の試し焼きを繰り返し完成にこぎつけたジャスパー(碧玉)等といった斬新な手法の開発により、陶磁器界に革命的旋風を巻き起こし、欧州各国の王侯貴族からも認められ、英国のシャーロット王妃に納められました。それを大変気に入られたところから「クイーンズウェア(女王の陶器)」という名称の使用許可を得ると共に、一躍世界的にも注文が殺到し、世界中にその名声を博しました。そのWedgwood(ウェッジウッド)の中で、特に代表作と言われるストーンウェアーのジャスパーは、1774年に作り出されたオリジナルの技法で焼かれた陶器類のもので、実使用向きではありませんが、そのマットな質感が放つ上品かつシックな風合いと優しい発色がとても印象深い作品とも言えます。色的にはブランドカラ―でもあるウェッジウッド・ブルー。そして他にもグリーン、ブラック、グレー、ディープブルー、ブラウン、ピンク、イエロー、ライラック、ターコイズ、ホワイトなども出ています。製作時に酸化金属の着色原料が素地土の中に混ぜこまれており、色落ちやはげることがなく、その特徴的なレリーフ(柄)も同様の手法で作りつけられたものですが、同質の同化しやすい素地土からということもあり取れることもありません。そういう特化した製作過程も良質の粘土が必要不可欠であり、それが多く産出されるイングランド中部スタフォードシャー州を軸に急激に発展してきました。しかし、時代と共に変化を伴わなければならない事態も数々起こり、買収防止の意味での合併や低価格戦略による窯の他国増設化などから、傍目にも手ごろになったとはいえ、その質やデザインの低下なども見受けられがちともなってしまい、それが世界的大手にあっても経営破たんにもつながってしまいました。再生を図っている今後、どういう展開を見せてくれるか。そのまま埋没するには非常に惜しい存在な分、その期待度からも高く注目されています。

上記にも少し書かせていただきましたが、最近のものは大量生産からのデザインなどのやぼったさが少し目立ち、個人的にはなかなか手を伸ばしかねてもいますが、アメリカのアンティークショップ等を覗いては、昔のデザインのもので特に好みのウェッジウッド・ブルーのジャスパーを好んで買い求めています。以前のものは手作業ということもあり裏などにある刻印の深さにムラがあり薄くなっていたりと、お店の方も本物かどうか判別しかね安価になっていることも少なくありません。事実有名なものだけに類似品も少なくなく、質や色合い、彫刻のきめ細やかさなど、多少なりとも特化した専門知識があれば見分けるのはそう難しくはありません。ただ中には類似品でもものすごく良い色合いやデザインのものもあり、それはそれで自分だけの価値観という愛着の下、独特な別物(無メーカー品)として購入してみても悪くはないと思います(^^)運とタイミングという縁次第とも言えますが、日本ではまずお目にかかれない創業家系の方のサインが入ったものなどもお店に陳列されていることも。取り扱っている商品も現品のみで値段もお店によってまちまち。ショップの方も把握しきれていないケースも多く、自身の目と知識だけが頼りとなりますが、その辺も新品を扱うお店にはないアンティークショップの楽しさや良さとも言えますよね(^^)

(*)KELLY HOPPEN コラボレーション

(*)別色ジャスパー:ディープブルー

(*)無メーカー品(でも、お気に入り(^^)!)


個人的には陶磁器全般的に好きで、他にも地図柄が好きということもあり地図柄で有名なPRIMA CLASSE(プリマクラッセ)とコラボレーションしたリチャード・ジノリ(ジノリ:1735-1986、リチャード社と合併しリチャード・ジノリ:1986-2013、経営破綻につきグッチに買収・子会社化され現在はグッチ・リチャード・ジノリ(GRG S.r.l.)に)や、2009年まで厚木にノリタケ・スクエア(販売店やアウトレット、ミュージアム、実際の商品を使ったレストラン等、ノリタケの全てを楽しめるメーカー総合施設)があったノリタケ(そういう施設は今は本家・名古屋のノリタケの森だけですが=絵付け体験も可)のGRAND VERT(グラン・ヴェール)やCLEMENTINE(クレメンタイン)等も特に好きですね。駒沢オリンピック公園で毎年6月頃に行われる大陶器市(近年は毎年ではなくなってきてもいますが)等もタイミングが合うときは行って楽しんだりも(^^)